怖いもの知らずのギフト 記念日です

80年代後半に起こったバブルの前にも過剰流動性は存在していました。
バブルの悪夢をほうふっとさせるようなこうした異常な「カネ余り」にいったん火がつけば、本格的なインフレになる可能性は否定できません。 それが日本経済の実態だったのです。
ただ、これまでの長い期間については、日本は巨額の不良債権にまみれていました。 その不良債権はすさまじいデフレ圧力をまき散らしてきました。
それで過剰流動性のインフレ圧力が相殺されてきたのです。 逆に言えば、それくらい不良債権問題のマイナス効果はすさまじかったのです。
マクロ的に見ると、不良債権と過剰流動性が経済全体としての均衡を保ってきました。 不良債権はデフレ懸念を引き起こし、財政出動や銀行への公的資金投人を通じて財政赤字を膨らませます。
その結果、国債の発行が増えますから、国債の値段が下がる(=金利上昇)はずのところが、過剰流動性があり、しかも銀行は不良債権をかかえて貸し出しを伸ばせないものですから、国債購入へと向かいました。 それで国債価格が値崩れしなかったのです。

また、本来なら過剰流動性に火がついてインフレになってもおかしくないのに、不良債権がもたらしたデフレ懸念が消費を低迷させてきました。 また、おカネの価値を上昇させてきましたから、おカネの保有増という現象が起こりました。
また、超低金利という環境もおカネ保有のコストを低下させましたから、そのことも、おカネの保有を促進し、デフレ圧力を強くしていたのです。 だから、インフレになってこなかったのです。
この絶妙かつ脆弱なマクロバランスは、不良債権問題が収束していくとともに、崩れていくことになります。 不良債権のデフレ圧力が弱くなっていくとともに、うまく過剰流動性のエネルギーを相殺させる金融政策を講じなければ、均衡が崩れて、いずれインフレ要因が勝ってしまう可能性が高いのです。
この不均衡を予防しようとしたわけではないのですが、日本は2006年に入ってから、社会主義的で統制経済的な政策を矢継ぎ早に実施することにより、日本経済に対してデフレ的な影響を与えてきました。 それらの愚かな政策が日本経済にデフレ効果をもたらし、皮肉なことですが、結果的にインフレ抑止策になっています。
典型的な事例は、グレーゾーン金利を廃止する方針を打ち出すことによって、貸金業者を壊滅させたことです。 貸出金利の水準が低くなれば、その分だけリスクをとれなくなるのは自明の理ですから、大幅な信用収縮が起こります。

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